空にあるのは水
からだの成り立ちも水
水のように生きれたら きっと楽しいだろう

山が川に迫る土地を捨てて 都会にやってきた
交差点には人の流れ 静寂が存在しない
売るものが無いので 唯一の持ち物を売った
減るもんじゃないと思ったら そうじゃなかった

何人かの部屋で暮らし やがて自室を借りた
環状道路沿いはいつも賑やか 耳栓を買った
人があふれてても 親しさには出会えない
雨の夜が待ち遠しい 涙がそこに紛れるから

空にあるのは水
からだの成り立ちも水
水のように生きれたら きっと楽しいだろう

手に入れたと思っても 満たされない
月は太陽によって ゆっくりと満ちていく
わたしだって 光をくれるものが欲しい
昼の光はビルで遮られ 夜の街には欲望のまたたき

ある朝 高く飛ぶ鳥を見かけた
ゴミ袋を手にしたまま しばらく行方を追った
引き返すんじゃない 一回りしただけなんだ
バスを降りると 懐かしい風のにおいがした

空にあるのは水
からだの成り立ちも水
水のように生きれたら きっと楽しいだろう

(2018.2)