あなたにとって音楽とは何ですか?
と訊かれたので
他者と自己の間にかかる橋です
と答えた
音楽が奏でられる情景はさまざま
海辺に出かけてハーモニカを吹いたり歌ったり
聴き手は自分とカモメと潮風と
きみのために歌うよとギターを手に取るとき
もちろん 聴き手は きみとぼく
コンサートやレコーディング
演奏の向こうに大勢の顔が見える
オーディエンスは必要ないという人がいる
その人固有の理由があるんだろう
価値観は十人十色だ
奏でる音楽や奏者への好き嫌いはあっても
奏でて楽しむこと自体は素晴らしい
音楽には個と個をつなぐ魔法がある
ぼくにとっての音楽は
自己表現というより他者と関わる手段なんだと気づく
加齢とともに 少しづつ透明になってきている
この世を離れるときには
人間も含めた自然の美と同化したいものだ
そのとき ぼくは みんなの中にいる

(2018.6)