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カテゴリー: 癌に関する情報 (1ページ / 8ページ)

癌に関する良情報

適切ながん治療を受けるための3カ条

① インターネットの情報はうのみにしない
 インターネットでは常に正確な情報が表示されるとは限らない。国立がん研究センターが運営する「がん情報サービス」を見るか、無料で相談にのってくれるがん相談支援センターを活用する。

② その治療が「標準治療」かどうか医師に確認する
 「標準治療」とは科学的エビデンスを基に専門家が決めた現在の医学で最善の治療。標準治療をまとめた各学会の診療ガイドラインに準じた適切な治療を受けているか担当医に確認する。

③ 薬事法上、未承認の治療に注意する
 薬事法上未承認の治療は自由診療となり、患者の同意だけで様々な治療が行えるため注意が必要。例えば、免疫細胞療法のうち、がんペプチドワクチン療法や樹上細胞ワクチン療法、NK細胞療法などは科学的に効果が明らかにされていないうえ、高額なものも多い。それらの治療を受ける際には担当医に確認する。


〝インチキ治療〟さえ見過ごされる日本のがん対策の現状
 勝俣範之 (日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授)

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/10828

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/10828?page=2

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/10828?page=3

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/10828?page=4

1か月フォローから3か月フォローへ

おれが知る範囲でも癌で亡くなる人が増えている。
部位はいろいろ、発覚時のステージもいろいろ、治療への取り組み方もいろいろだろう。
では、発病者がみんな亡くなっているかというと、そんなことはない。
上記のいろいろによっては助かることもある。
幸いにおれも、治癒ではないが一応の小休止を得た。
3年間の闘病で思ったことがある。
結果がどうあれ、どう生きたか、生きようとしたかが大切だということである。
それは自分の本質を知ることでもある。
自分の本質を知る機会など、なかなか無いものだ。

今日は月一の腫瘍マーカー検査を受けに戸畑へ出向いた。
数回連続して基準値内だったので、1か月フォローから3か月フォローでよいことになった。
次回は11月中旬になる。
月並みだが、先に逝かれた方々の分まで、この世を味わうつもりだ。
どんな世界になろうとも。

CEA : 2.61 (0-5.0)
CA19-9 : 5.96 (0-37.0)

癌の「標準治療」

良記事を見つけたので、ご紹介します。

標準治療は「並」ではなく「特上」のこと
http://bunshun.jp/articles/-/3474

標準治療は確率的に見て「受けたほうが得することが多い治療」
http://bunshun.jp/articles/-/3474?page=2

(鳥集 徹)

「インチキ医療」の危険性についての懇談



鈴木美穂(日本テレビ社会部記者・がんサバイバー)
報道記者・ニュースキャスター。NPO法人マギーズ東京 共同代表理事。2008年、24歳の時にステージ3の乳がんを発症。以降、本業と並行してがん患者を支援する活動をする。治療後は再発・転移もなく、現在は治療の必要もない状態。

勝俣範之(腫瘍内科医)
 日本医科大学武蔵小杉病院教授
 国立がん研究センター中央病院乳腺科・腫瘍内科外来医長などを経て、2011年より現職。
 著書『医療否定本の嘘』(扶桑社)、『「抗がん剤は効かない」の罪』(毎日新聞社)など。

津川友介(医療政策学者・医師)
 米・カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)助教
 聖路加国際病院で内科医をした後、ハーバード大学院で医療政策学の博士号を取得、2017年より現職。
 著書『「原因と結果」の経済学』(ダイヤモンド社)。

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日テレの動画
http://www.news24.jp/articles/2017/07/06/07366337.html

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鈴木:私は9年前、2008年に乳がんになりました。こう言うと「がんになって9年経ってそんなに元気で、何か特別な治療をしたんですか?」と聞かれることがあります。でも、私は特別なことはしていません。ガイドラインに沿ったもの、「標準治療」と呼ばれるものを受けただけで。
いろいろな人と話して思うのは、有名だったり、お金があったりすればするほど、標準じゃないものを選んでしまいがちなのではないか、ということです。標準じゃなくて、特別なことができると思うからでしょうか。私自身、標準治療を受ける過程で、さまざまな誘惑がありました。

勝俣:誘惑とは、どのようなものですか?

鈴木:例えば、突然あまりよく知らない人から連絡が来たり、イベントに行ったときに話しかけられたりして。
「あなたがやっている抗がん剤治療は毒だから、一刻も早くやめた方がいい」とか「それは標準なんだけど、お金さえあればもっと簡単に治療できるんだよ」とか、そんなことを言われました。

勝俣:標準治療という言葉の意味が、まだ定着していない印象があります。もともと英語では「スタンダートセラピー」ですが、日本だと「標準=並みの」という聞こえになってしまう。しかし、これは「最善の治療」という意味なんですよ。

鈴木:その通りですね。「私は記者で、納得がいくまで調べて精査した上で、この治療を選んだ」とわかっていても、そのときは心が揺れました。やっぱり当時、抗がん剤治療は辛くて、これをやらないで済むのであれば、やってみたいと思ったことは何度もあります。結局はやらなかったのですが。

津川:やらなかった理由というのは、どのような?

鈴木:私の場合は、積極的に医師の意見を聞きに行き、知識を収集したからだと思います。自分の病気について、主治医以外の他の医師に意見を聞くことを「セカンドオピニオン」といいますが、私は2回ではなく7回、つまり「セブンスオピニオン」まで聞きに行ったんです。
何人もの医師に相談して、病気についての知識を身に着けていく間に、少しずつ自分にとって何を選ぶのがベストなのかが見えてきました。今振り返ってみると、選ばなかった治療には、「こっちを選んでいたら、今、私はここにいないだろうな」と思うものもあります。

勝俣:医師の中にも、例えば、未だに「抗がん剤は悪だ」というような、不勉強な方がいますからね。

鈴木:がん患者さんの相談に乗っていると、少なからず起きるのが、標準治療ではない治療を受けた方が、「私は間違った治療を選んでしまった」と納得できないまま亡くなること。それは本当に悲しいと思っていて。
生きていれば人はいつか必ず死んでしまいます。でも、たとえがんになっても、自分の選択に納得して最後まで自分らしく生きて亡くなるのと、「失敗した」と後悔しながら亡くなるのとでは、心の穏やかさがまったく違います。残されるご家族もそうです。

津川:人の命を扱う以上、「絶対」というものがない医療の中で、それなりに質がコントロールされているのが標準治療です。誤解を恐れずに言えば、うまい話はない。勉強や運動などもそうだと思いますが、「特別なことをやれば他の人より何倍もいい結果が得られる」なんてことは、医療に限らずあり得ません。
真実とは、地道な努力をコツコツと積み重ねた先にあるものなんです。医療についていえば、それが標準治療ということになります。だから「あまりうまい話を探そうとしない」というのは、心がけてほしいですね。そうしないと、そこにつけ込まれて、治るべき人が治らない、命が短くなってしまうことがあるので。

鈴木:何を信じるかによって、命の長さが変わってしまう現状があります。患者さんはどんな情報を信じればいいのでしょう。

勝俣:私はこれが今、一番問題なところだと思っています。飛びつきやすい情報というのは、マスメディアとインターネット、両方にありますよね。インターネット上の医療情報の信頼性については、昨年からいろいろと取り沙汰されていますが、がんの専門家の立場からすると、マスもネットもどちらも相当危ない。
テレビも、雑誌も、新聞も、本も、もちろんネットも、過激な言い方をすると、ほとんど信頼できない。現場とずれています。情報化社会と言われるのに、結局医療者と一般の方の知識のギャップは大きいままです。

鈴木:テレビ・ネットの報道に携わる人間として、身につまされます。

勝俣:10年くらい前、インターネットがこんなに発達するまで、患者さんは情報不足だったんです。みなさん「どこに行けば正しい情報が得られるか」と困っていた。一方、今は情報過多の時代です。情報で溢れ返ってしまって、結局、何を信じていいのかわからないという。

津川:アメリカで得られる情報と日本で得られる情報を比較するとわかるのが、日本人はもともと健康意識が高く、健康のことをすごく気にしている、ということです。
以前は情報がない中でもなんとか健康に生きようとしていたのでしょう。それが今、どうなったかというと、あまりに健康意識が高いために、さまざまな情報に手を出すようになってしまった。しかもその信頼性が低いものだから、実害が出はじめている、ともいえます。
現状は、健康に関する記事を出せばみんな読む、本を出せばみんな買う、番組を作ればみんな観る。そうすると「何でもいいから健康に関する新情報、意外な情報をどんどん流そう」という構造が生まれてしまう。これが社会を混乱させていると思います。
実害がなければ目くじらを立てることはないのかもしれませんが、抗がん剤のような情報は、人を不幸にすることが本当にあるので。エビデンス(科学的な証拠)のない医療を受けて、命を落とす方、病気を悪くする方が実際にいる以上、社会としてどう守っていくかを、考えなければならないでしょう。

鈴木:そもそも、専門家でないと、正しい情報とそうではない情報の区別がつけづらいですよね。

津川:「AとBのどちらを選んでもいいですよ」というグレーゾーンはもちろんあります。しかし、はっきり白黒ついているものもあります。明らかに正しいもの、明らかに正しくないものは、はっきり判別できるようにした方がいい。

鈴木:明らかに「クロ」、正しくない情報とは、どんなものですか?

勝俣:私が長年、ニセ医学の検証をしてきて傾向をつかんだ、「インチキの五カ条」があります。以下のうち、2つ以上の項目が当てはまるようでしたら、「インチキ医療」の可能性が高いので、注意してほしい、というものです。
 1. 「○○免疫クリニック」「最新○○免疫療法」などの謳い文句
 2. 調査方法などの詳細が掲載されていない「○○%の患者に効果」
 3. 保険外の高額医療・厚生労働省の指定のない自称「先進医療」
 4. 患者さんの体験談
 5. 「奇跡の」「死の淵から生還」などの仰々しい表現

津川:先進医療についてですが、本当に「“まだ”エビデンスがそろっていないけれど、将来効果が認められる可能性がある」治療なら、厚労省が「先進医療」に指定しているはずです。
逆に言えば、厚労省が先進医療に指定していないものはインチキである可能性が高いということも、患者さんが知っておいた方がいい重要な情報ですね。

鈴木:体験談はよくありますが、これもインチキの可能性が高いのですね。

勝俣:エビデンスのピラミッド(順位)でいえば、いち個人の体験というのは、もっとも信頼できないものですよね。

鈴木:わかっていても「この人が治ったんなら自分も治るんじゃないか」と、そそられてしまいます。

勝俣:しかし、そもそもその患者さんが実在しない場合もある。あるいは、どこか隅の方に小さく「抗がん剤と併用していた」「手術後に使い始めた」という記載があるとか。だったらそれは抗がん剤や手術の効果じゃないか、と。

津川:「がんが消えた!」というのもありますよね。

勝俣:インチキほど「がんが消えた!」と言いますね。「がんが治った!」だと薬機法に抵触するおそれがあるので、「消えた」と表現する。

津川:おお、ではこれは六カ条目ですね。

勝俣:たしかにそうですね(笑)。

津川:「科学が証明していないすごいものが、まだ世の中には眠っているかもしれない」と考える患者さんが多いのかもしれませんが、やっぱり、そううまい話はないんです。それに、効果がないことは「悪魔の証明」と言われるくらいで、証明するのが難しい。
その結果、正しくないと知りつつ、お金儲けのためにインチキをする人が出てくる。医師や薬剤師、栄養士など、本来はプロ意識により、そういうことをするべきでない専門家まで、それに加担している。市場が歪んでしまっているんです。
保険外診療の中には、詐欺まがいのものも含まれています。普通「◯◯したらがんが治る」と謳えば詐欺です。しかし、医師免許を持っているだけで、それが保険外診療として提供され得る。本来は医師のプロ意識で解決するべきですが、今は機能していません。何らかの規制が必要な段階かもしれない。

鈴木:本気でその治療に効果があると思っている医師の方もいるのでしょうか。

津川:エビデンスのない治療を信じている人もいるでしょう。それは宗教と同じなので、他の人に迷惑をかけないのなら個人の自由かもしれません。しかし、少なくとも専門家が正しくない情報を発信するのは許されないと思います。

勝俣:情報の非対称性が解消されていない以上、圧倒的に弱い立場なのは患者さんですからね。

津川:最近思っているのが、医療不信や昨今の健康本ブーム、ネット上の医療キュレーションメディアの問題というのは、ひょっとして医療者側にも原因があるのではないか、ということです。
患者さんに病気を告知したとき、よく受容のプロセスと言いますが、患者さんはまず、とてもショッキングなことを言われて、頭が真っ白になる。そのあとそれを否認するんですね。「そんなはずはない」「(医師が)間違っているんじゃないか」と。これまでなら、そのあと徐々に受け容れていって、「これからどうしよう」と考え始める。
昔はここで、患者さんは医師のところに、どうにか戻ってきてくれたんです。「やっぱりもう一度、話を聞かせてください」と。でも、今は先ほどもあったように、情報過多の時代です。さらに、健康本やインターネットの先には悪意を持っていたり、お金儲けを目的にしていたりする人がたくさんいる。
そんな状況で、あまりにもドライに「これが医学的に証明されています」と言っても、患者さんが受け容れられるわけはありません。「藁をもつかむ」という言葉がありますが、患者さんはたとえ詐欺的なものでも信じたい。人はなぜインチキだとわかっていても信じたくなるのか、と問わなければ何も変わりません。
医療者側はその気持ちを本当に理解できているでしょうか。こういう問題は医療者やメディア側の目線で語られることが多いですが、苦しんでいるのは誰よりも、患者さんですよね。

勝俣:おっしゃる通りだと思います。患者さんが科学的根拠に乏しい質問をしてくると、無下に否定してしまう医療者もいます。しかし、これではますます信頼関係が損なわれる。
がんの情報というのは、患者さんにとってうれしくないことも言わなければいけない。「治る」と言ってあげたいけど言えない。「治らない」と言わなきゃいけないこともある。「転移しました」「再発しました」これらも患者さんにとっては聞きたくない情報です。
患者さんにはそのサポートが必要です。やっぱり、がんの治療が難しいとなったら、「簡単だ」と言ってくれる方に逃げたいじゃないですか。これをうまくサポートできてない、サポートする時間的余裕がない現状がある。
その結果として、「がん難民」といわれるような患者の方々が出てきてしまう。積極的治療が難しくなってきたときに、病院から放り出されたように患者さんが感じることは、大きな問題です。例えば「緩和ケア」のように、患者さんの痛みを取って生活の質を向上させるのも、立派な標準治療ですよね。
医師に余裕がないなら、海外では一般的なオンコロジーナース(精神的ケアまでを含めたがん治療の専門ナース)の外来診療への導入などを検討するべきかもしれません。

鈴木:日本でもがん専門看護師が少しずつ増えてきましたが、果たす役割は大きいですよね。

津川:並行して、メディア教育と、医療者には科学的根拠のない治療の規制が必要でしょう。規制は悪いもの、規制緩和は良いものと無条件に考えてしまいそうですが、インチキ医療により人が命を落としたり、病気を悪くしたりというのは、自由診療など規制緩和の流れの中で起きていることとも言えます。

鈴木:なるほど、今の医療の課題と、これからどうするべきかが、はっきりしてきました。最後に、患者さん、そしていつ患者になるかわからないすべての人にとって、結局、どうするのが一番ですか?

津川:本屋の健康本コーナーにある本に、まともな情報はほとんどありません。インターネットの情報が玉石混交なのは、もう繰り返し指摘されています。医師にもおかしなことを言う人がいる。
ですので、大事なのは、鈴木さんのように、がんセンターやがん拠点病院といった、医師の知識や技術がある程度は担保されている専門の病院で、複数の医師から情報を収集することではないでしょうか。

勝俣:標準治療についての理解も必要です。国立がん研究センターのサイトから、ガイドラインやがんの情報を学ぶことができます。

鈴木:この記事もネット上の情報ではありますが、専門家のお二人が真剣に議論した内容ですので、これを読んでくださって、何らかの気づきがあって、今から軌道修正したり、何かあったときに、納得のいく選択ができたりするようになる方が増えたらいいなと思います。

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2017.7.7
「BuzzFeed Japan / 朽木誠一郎」

玉石の見極めは生死を分ける

以下、有益情報です。
「癌」に関係する方々は、ぜひご一読を。

<記者の目>
がん治療法巡る論争
三輪晴美(毎日新聞生活報道部)
(2015年11月17日)

■ 誤った発信、許されない

がんの治療に関する情報があふれている。中には、最新の医学とはかけ離れた治療法を勧めるものも多い。私は乳がんを患い、当事者の視点も含めてくらしナビ面で昨夏から「がんステージ4を生きる」「がん社会はどこへ」の連載取材に携わってきた。現代医学の恩恵を受けている者として、日本人の2人に1人ががんにかかるとされる今、患者が安心して治療を受けられる社会を実現させたい。そのためにも、誤った情報発信は断じて許されない。


■ 放置のすすめ、上がる反論の声

近年、注目を集めるのが元慶応大医学部講師・近藤誠氏の著書だ。近藤氏は「がんは放置すべし」などと、現在のがん医療の根幹を否定する。2012年、文化的業績に対して贈られる「菊池寛賞」を受賞、同年出版の「医者に殺されない47の心得」は100万部を突破した。しかし現場の医師からは「本を読んでがんを放置した結果、病を悪化させる患者がいる」「救える命も救えなくなる」などの声が上がり、今年、近藤氏の主張に異を唱える本が相次ぎ出版された。

私は2008年末、進行度が最も高い「ステージ4」の乳がんと診断された。腫瘍は8センチ以上と異様な大きさで、リンパ節転移多数、さらに骨転移は広範囲で胸膜転移も疑われた。寝返りも打てず、医師は「頭の骨も溶けかけている」と指摘。手術不能で、抗がん剤と、がんの増殖などに関わる特定の分子のみを攻撃する分子標的薬の一つ「ハーセプチン」による治療が始まった。初回の投薬で、がん進行の指標となる腫瘍マーカーの高値は半減し、1年後に職場復帰。その頃には画像上、胸とリンパ節から腫瘍が消えた。以後、骨に腫瘍は残るが以前と同じ生活を続けている。

そんな私が、近藤氏の著書の「ハーセプチンは認可を取り消されるべきだ」という一節に仰天したのは言うまでもない。ハーセプチンは転移増殖しやすいタイプの患者に有効で、乳がん治療の成績を飛躍的に向上させたとされる。

先日、近藤氏に取材して話を聞いた。私の症例を話したが、近藤氏は「分子標的薬も効かない」と言う。「医師と製薬会社と厚生労働省が利権を守る世界があり、治験(新薬承認のための臨床試験)のデータはことごとく改ざんされている。治験の論文の筆者に製薬会社の社員が名を連ねること自体がおかしい」。さらに「抗がん剤は毒でしかない」と強調した。

確かに、抗がん剤は健康な細胞も攻撃するため、副作用がある。「過剰な投与が命を縮める」との主張では、多くの医師も近藤氏に同意する。だからといって、近藤氏の全否定は放置できない。

抗がん剤が「効く」とは、血液がんなどを除けば「治癒」ではなく、腫瘍が一時、縮小することを意味する。効果には個人差が大きく、投与の都度、「リスク(危険)」と「ベネフィット(利益)」をはかりにかけ、患者の価値観、人生観と照らし合わせて治療を進めるべきだとされる。実際、「副作用はあっても、それに見合う効果が実感できるので治療を続ける」という患者は多い。まれに副作用死はあっても、治療法が進んだ今は抗がん剤で恩恵を受ける患者が多いのではないか。

そう問うと、近藤氏は「中には延命する人もいるだろう。しかし自分が知る多くは、転移もないのに再発予防で抗がん剤治療を始めたら、副作用で亡くなったといった話ばかりだ」と語気を強めた。


■ あふれる情報、賢く見極めて

以前、評論家の立花隆さんを取材した際の言葉を思い出す。「医師は自らが診た患者の症例しか知らない」。だからこそ、世界の医師が症例を持ち寄り、がん撲滅のために英知を結集するのが科学のあり方ではないか。

抗がん剤については、一般の人の間でも負のイメージが強い。医療不信もあいまって、「医師は不都合な真実を隠している」とばかりにネットでもデマが流れ続ける。

「製薬会社の政治力は否定できない。でも、そこまでわかりやすい情報操作は不可能で、透明性も進んでいる」と話すのは、医師で医療問題を研究する東京大医科学研究所の上(かみ)昌広特任教授だ。ただし「抗がん剤が効かない人や適正な医療が受けられない人は近藤氏の本に救いを見いだす」と指摘する。「抗がん剤を正しく評価するには、国民一人一人が賢くならなければ」

最近は遺伝子診断による「個別化治療」も進み、不必要な抗がん剤治療は避けられるようにもなってきた。医学は一歩一歩、進んでいる。

がんになっても人生は一度きりだ。あふれかえる情報に惑わされず、信頼できる医師のもと、自らの命と悔いなく向き合っていく。その一助になる情報を今後も発信していきたい。

がん制度ドック

がん治療時に患者や家族が利用できる「公的な支援制度」や「民間の支援サービス」を検索できるWEBサービスが登場!
患者の年齢・がんの種類・治療状況、ご加入中の制度等を入力するだけで、検索した人が利用できる医療保険制度、申請先、利用方法が一覧で表示される。
国や民間が提供する支援制度を一括して調べることができ、制度の利用漏れを防ぐことによって、がん治療時に起こる経済的困難の解決を目指している。

がん制度ドック
http://www.ganseido.com/

株式会社かるてぽすと(サイト運営元)と、がんと暮らしを考える会(コンテンツ監修)が共同企画で制作。
多くの人が公平に制度を知り、適切なタイミングで申請する仕組みづくりをめざして構築。

近赤外光線免疫療法

癌患者にとって近い将来には福音となるだろうか。

動画制作 : 米国国立がん研究所(NCI)
日本語字幕 : 一般社団法人日本癌医療翻訳アソシエイツ(JAMT)

近赤外光線免疫療法では、がん細胞と結合する抗体(光吸収体結合体)が用いられる。
近赤外線が照射されると、結合体が結びついたがん細胞は膨張、破裂し、死に至る。
この光免疫療法は、手術ができない腫瘍がある患者で臨床試験が実施されている。



元サイト
https://www.cancer.gov/news-events/cancer-currents-blog/2016/photoimmunotherapy-cancer

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