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月別: 2月 2018 (1ページ / 3ページ)

WHOは抗がん剤の使用を禁止などしていない

大須賀 覚
 がん研究者(専門は脳腫瘍)
 脳神経外科医
 Emory University在籍

■ 抗がん剤に関してのうそについて

ネットでがん治療と検索すると、山ほど嘘の情報が出てきます。その中でもよく見る嘘が、「抗がん剤を使っているのは世界の中でも日本だけで、他の国では禁止されている。WHOは抗がん剤使用を禁止している。そのために日本のがん治療成績はアメリカと比べてとても悪い」というものです。なんだかそれらしいグラフとか、なんだか偉そうな人の写真とかでてきます。抗がん剤否定信者がよくこの手の書き込みをしています。

もちろんとんでもない嘘です。バカバカしすぎて、今まで相手にしていませんでしたが、本気で信じている一般の方も時々いますので、この機会にしっかりと解説して完全否定しておこうと思います。

まず、抗がん剤とは何かという話から始めます。抗がん剤とは、一般的にがんの増殖を抑えるお薬の総称で、化学療法と言われる治療で使われます。一般人の認識としては、投与すると髪の毛が抜けたり、吐き気がしたりするがんに対する薬剤というのがそれにあたります。抗がん剤はがんに対する治療薬の中では、比較的古くから使われているものです。多くのがん治療薬が開発されている現在でも、様々ながん種でまだまだ有効で、たくさん使われています。最近では、分子標的薬といわれるような全くコンセプトの違うがんに対する薬剤が増えていますが、一般的にはそれらは抗がん剤とは表現されないことが多いです。

さて、本題に入りますが、抗がん剤が使われているのは日本だけなのでしょうか?もちろんそんなことはありません。日本だけでなく世界中で使われています。今でも世界中のがん治療を支える重要な薬です。もちろんアメリカでもたくさん使われています。WHOが禁止などしていません。アメリカでもたくさんの患者ががんを治療するため、自分の命を守るため、抗がん剤の治療を受け、たくさんの人がその恩恵を受けています。

そもそも、日本で行っているがん治療は他の国と違うのでしょうか?実際のところはほとんど違いがありません。基本的に世界中のがん治療方法というのはほとんど同じです。なぜかといえば、話は単純で、みんなが最も効果のある治療方法を使いたいので、必然的に同じになります。

この情報化社会では、何かの新しい治療方法にすぐれた効果が有るという報告がされれば、全世界の医者がその治療にすぐに飛びつきます。みんな少しでも効果のある治療、少しでも副作用の少ない治療を行いたいですので、必然的に同じ治療を使うようになります。

もちろん薬剤の認可は国別に行われているので、半年から数年の遅れは伴うことはあります。しかし、基本的に良いものは全世界で同じように使われることになります。がんの治療というのは、命がかかっている治療です。他に良い治療があるのに、「面倒だから昔の治療のままでいいや」なんてことは許されません。

基本的には同じ治療方法が行われるはずなのに、国ごとに多少の違いが生まれるとすれば、それはお金の面での問題からです。医療費が高額であったり、医療保険が充実していないなどの理由があると、高額の新薬投与を制限されたり、複数回の手術ができなかったりします。特に、発展途上国では残念ながら情報の遅れも、薬剤を手にいれる困難さなどもあり、最善の治療が行えていない現状があります。

次に、WHOは抗がん剤を禁止しているという話についてです。もちろんWHOは禁止などしていません。そもそもがんの治療方法を決めるのはWHOではありません。WHOはがんに対しての様々な活動はしていますが、治療ガイドライン(世界最高の治療レシピを紹介しているガイドブック)を作っているのはWHOではありません。それぞれのがん治療を主導している学会や専門家などが、臨床研究などの膨大なデータをもとにして、治療ガイドラインを作成しています。

最後に、日本のがん治療成績についても解説します。結論から言えば、日本でのがん治療成績は世界の中でもトップレベルです。最近に、Lancetでがん治療成績について、世界各国を大規模に比較した研究(CONCORD-3)が発表されました。この研究には、世界71カ国の約3750万人のがん患者について調査されており、世界で最も信頼できるデータと考えられています。その結果では、日本はほとんどのがん分野で最高レベルの治療成績となっています。特に消化器がん(胃がんなど)の生存率は世界最高峰ですし、その他のがんでもトップレベルです。皮膚の黒色腫などの生存率だけが、他の国より低い結果となりましたが、これは黒色腫が日本ではとても稀で、発見が遅れてしまうことなどの特殊な事情によるもので、必ずしも劣っているとは言えません。

今回の結論ですが、「抗がん剤を使っているのは日本だけ、WHOは使用を禁止している。日本のがん治療成績はアメリカと比べてとても悪い」は全くの嘘です。お気をつけください。抗がん剤治療は大事な治療手段です。もちろん副作用が強いことなど問題はあります。しかし、がんという強力な病気に立ち向かうためには必要な手段であり、全世界のがん患者はこの治療に向き合い、病気と戦っています。

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昨日、抗がん剤に関した嘘についての書き込みをしました。それの反響があまりに大きくて、正直なところびっくりしました。かなり長い文章でしたので、それほど読んでもらえないかなとも思っていました。また、それほどみんなの興味のあるネタではないかなとも思っていたのですが、皆さんの反応を見ると、私の認識が間違っていたことに気づかされました。特に感じたのが、このような嘘に苦しめられている患者さんがいかに多いかという切実な事実です。今回の嘘は、医療者からすればバカバカしすぎて、全くありえない話ですので、いちいち解説する必要があるのかなとも少し思っていました。しかし、一般の方にはやっぱり見抜くことは難しく、多くの人が振り回されているという事態を痛切に感じました。医療者側の認識と、患者側との認識のギャップをもっと良く考えて、やはり丁寧に情報提供していくことが大事だなと再認識しました。

ネットにはがん治療に関しての、あまりにたくさんの嘘が広まっていて、それの一つ一つを否定していくのは、途方もない作業ですし、労多くして意味がないのではという気もしていました。しかし、今回のことで、「疑問がとけた」「安心できた」などの意見に触れると、このような情報提供もとても大事なことだなと再認識させられました。少しでもがん患者の助けになるのであれば、今後も時間を見つけて、少しずつ嘘を否定したり、正しい方向に行くように情報提供を続けていきたいと思います。皆さん暖かいコメントを本当にありがとうございました。

戦場

映画「ハクソー・リッジ」を観た。
アメリカ軍から見た沖縄戦のこと。
メル・ギブソン監督が描く戦闘シーンの凄惨さが心に残った。
戦場に向かうのは覚悟を要す。
そして、戦場に戻るのは最初の覚悟と違っている。
死をリアルに感じるのは妙な高揚感がある。
そのとき初めて生きていることをヒリヒリと実感する。
平穏時になぜそう感じないんだろう。

無限

限りが無いことは希望であると同時に恐怖でもある。
宇宙空間のように。
限りがあることは恐怖であると同時に救いでもある。
人生のように。
インドを旅していた頃、とある安宿に日本人旅行者が置いていったと思われる文庫本があった。
ボーヴォワールの小説だった。
永遠の命を得た男の物語で、彼はどうやっても死ねないんだ。
そして何世紀にも渡って生きている。
結婚しても、妻だけが老いていく。
老け化粧で自然さを保とうとするが、ある時点で発覚し、妻から化け物を見る目で見られる悲哀。
適当なときに彼岸に渡れることは幸運なことだと、おれは思う。
その適当な時期がいつであってほしいかは人によるだろうけどさ。
死はいつ訪れるかわからない。
つい先日、おれと同い歳の俳優が急に亡くなった。
やり残したことがあったのかもしれないが、それは本人にしかわからない。
ただ毎日を懸命に生きよう。

ふくろう

先日(2.17)にSUN MOON HALLでおこなわれた「オリジナル・ソングを歌おう」にエントリーして歌った。
ソロでやるつもりだったが気が向いたので、まーちゃんにお願いしてカホンで加わってもらった。
この曲は初めての共演だったけど、何度か一緒にやってて気心は知れてるから、感じたままに叩いてと伝えた。
よかったら、聴いてみてください。



抱きしめる

辛いことを告白されたとき
慰めの言葉なんか虚しく感じるなら
ただ黙って抱きしめてあげたらどうだろう

辛いことを告白したとき
慰めの言葉なんかかけてほしくない
ただ黙って抱きしめられたい

それで救えることも
それで救われることも
肉体のあたたかさは心のあたたかさ

日本語の歌詞

日本語で歌ってる曲を聴くとき、もちろん歌詞を聴く、というより聞こえてくるわけだけど、ありきたりなのは左の耳からすぐに出ていく。
単語やフレーズも大事だし、それらが組み合わさった世界観も大事。
それにグットくるメロディが付き、好きな声とサウンドが流れてくると最高だ。
そうそうないけどさ、そんなことは。
下に載せた浅井健一の新曲は、なかなか好きで、最近よく聴いてしまう。
声は好みではないけど、彼の歌は彼以外には歌えない、歌ってもさまにならないってことが凄い。
歌詞と世界観は、そんじょそこらにはない素晴らしさだ。
彼の終末的な世界観にも共感できる。
「紙飛行機」という曲もええね。






紙飛行機

この空間て不思議だよな 地面があって 空があって
太陽と月が毎日いてさ 彼らに意思なんてないんだぜ

ドブネズミだって ハイエナだって 愛し合って 生きていってる
そうだろベイビー そうだよベイビー そんなのそうに決まってるよな

誰でも一人母親がいてさ いつかは必ず 別れがやってきて
悲しみにあうと 泪が落ちて 水は大切で 青く光る

そして未来は 未来は 紙飛行機
できるだけ遠くへ 遠くへ飛べるように

ベッドカバーで 作ったパラシュート 心がこもってる それを背負って
丘の上から 駆け下りてくる神父さんへ 初めまして ご機嫌いかがですか?

僕らがやってる この社会は どうですか 救われますか
このまま行ったら またあの地獄のような 戦争が 始まるんでしょうか

この星の未来は 未来は 紙飛行機
できるだけ遠くへ 遠くへ飛べるように

僕たちの未来は 未来は 紙飛行機
できるだけ遠くへ 遠くへ飛べるように

過去の言葉に同意

二年前の今日(2/16)書いたことだが、今もそう思う。

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エゴイズムが少ない人の周りには人が集まる。
貧富に関わらず幸せに生きている人の周りには人が集まる。
人の話を興味を持って聞こうとする人の周りには人が集まる。
愚痴を言わない人の周りには人が集まる。
そしてなにより、無条件の愛を放射する人の周りには人が集まる。
そういうもんだろう。
反対もまた然り。
エゴイズムが多い人からは人が去る。
貧富に関わらず不幸なオーラを発散している人からは人が去る。
人の話を聞こうとせずに、まず自分の話をする人からは人が去る。
愚痴を言う人からは人が去る。
そしてなにより、愛と束縛を取り違えている人からは人が去る。
そういうもんだろう。
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