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月別: 3月 2017 (1ページ / 3ページ)

癌と共存する男の戯言 290

SUN MOON HALLをオープンして以来、いろんなイベントを企画してきた。
けっこう成功したかなと思えるものがある一方で、空振りに終わったものもある。
結果的に毎月定期的に行うことになったものがあり、不定期にやった方がよさそうなものもある。
毎週土曜日に何かしらイベントが必要なので、一か月に4回はなんとかせにゃならぬ。
未定の場合には閃きを待つ状態が続く。
閃くと同時に自分に問うことがある。
これをやって自分の心が躍るかどうか。
そして想像する。
来てくれる人たちの笑顔が見えるかどうか。
その二つが重なって初めて、よしやってみようと決意する。
SUN MOON HALLは表現者の集う場所だ。
人は、生涯つきあっていく自分という存在をさまざまな方法で確認したいんだと思う。
ステージに立っても立たなくても、自己を表現できる場所があるなら、受け止めてくれる人たちがいるなら、それは幸せの一つの有様じゃないだろうか。
SUN MOON HALLがその一助になれるならいいなと思っている。

癌と共存する男の戯言 289

3月25日に行った「日本語の響きを楽しもう」でチャレンジした「朗読 × 即興演奏」の模様です。
即興演奏者は、耳から入ってきた情報に瞬時に反応して、指先からメロディを紡ぎだします。
あとで彼から聞いたことですが、言葉の意味よりも抑揚に反応するとのこと。
声質や話し方からストレートに情報を得ているのかもしれません。
興味深いことです。

絵本朗読(三浦雅代)
シンセ即興演奏(俵 則和)

■ おまたせクッキー


■ 森の絵本

癌と共存する男の戯言 288

3月25日に行った「日本語の響きを楽しもう」でチャレンジした「文章⇒朗読⇒即興演奏」の模様です。
即興演奏者は朗読者の声によって初めて文章の内容を知ることになります。
三者とも味わっていただければ幸いです。


■ 文章(楠 知幸)



 光には千の表情がある。一日の中で、季節の中で、いろいろな場所で、刻々とその輝きを変えていく。太陽の光、月の光、かすかな風にゆらぐ蝋燭の光、そして夜道を照らす街灯の明かり。
 私はそれらのどんな光にも愛情を感じる。でも暗闇が怖いわけじゃない。夜に抱(いだ)かれるのも好きだ。なぜなら全くの暗黒ということは無いからだ。どんな暗さの中にも光はある。
 朝食を積んだ配膳車(ぐるま)を押して病室に入っていくと、音を聞きつけたのか数名の入院患者がベッドから身を起こした。私は彼らにおはようを言いながら、朝食の乗ったお盆を一人一人に手渡していく。開け放された窓から、さーっと涼風が吹き込んできた。季節は夏。今日も暑くなりそうだ。
 従妹とはしばらく会えてなかったから、先週末に連絡してみた。日曜日ならということだったが、あいにく私は夜勤に当たってしまった。平日だけど何とかするわと言ってくれたので、夜勤明けの今日、会えることになった。待ち合わせ時刻は正午。八時には病院を出れるから、いったん下宿に戻って身支度をするつもりだった。
 この病院で仕事を始めて二年ちょっとになる。看護婦養成所を出てから初めての職場だった。広島県立看護婦養成所は昭和十六年に設立され、私は一期生だった。養成期間は二年で、島根から山を越えてやってきた私は養成所の近くに下宿し、自転車で通学した。
 病院長の島先生は大阪医科大学を卒業され、アメリカ留学の経験もあると聞いている。洗練された雰囲気の方で、レンガ造りの病院にもそのセンスが現れていると思う。正面玄関の両脇には円柱があり、丸窓になっている。病院は外科で、治療代が安く手術もうまいと評判だそうだ。そういう声を聞くのは悪い気はしなかった。
 硬質な音がしたので音の方向を見ると、年配の患者が床に箸を落としたところだった。その男性は盲腸炎で入院していた。医薬品が不足がちだったが、先生の腕もあって手術はうまくいった。先日話をする機会があって、出征中の息子さんのことを心配していた。日本中の全ての親が息子たちのことを毎日のように案じていることだろう。何はともあれ無事に帰ってきてほしいと願っているだろう。私に子供はいないけど、その思いを想像すると胸が苦しくなる。
 床から箸を拾い上げ、その人に言った。
「今、洗ってきますから」
「すまないね。手が震えるようになって」
「大丈夫ですよ」
 私は箸を持って流しに向かった。
 やがて病室の皆が食べ終わり、私はお盆を下げた。あとは日勤の者に引継ぎをすれば今日の仕事は終了だ。さすがに眠かったが、久々に従妹に会えると思うと心が弾む。種類は違うけど、広島で学べることが決まったときのわくわくする気持ちを思い出した。今は、そういったものを表に出せない時代だ。
 更衣室に入ると同僚がいた。
「お疲れさま」
「ようやく帰れるね。これからどうするん?」
「従妹と昼ごはん食べにいこうかと」
「ええね。うちは帰って寝る」
 さっぱりした性格の同僚だった。私はあまり社交的でないので、明るい彼女の存在はありがたかった。
「そういえば盆はどうするん。島根に戻るの?」
「そのつもり。去年は帰れんかったけーね」
「親孝行してきて。じゃ、お先に」
 彼女が去ってから五分ほどして私も部屋を出た。出がけに時計を見ると、八時十分を回ったところだった。
 出口に向けて歩いていると、突然空襲警報のサイレンが鳴り響いた。またかと思った。今朝の七時過ぎにも警報があったが、二十分ほどで解除になった。入院患者を置いて防空壕に駆け込むわけにはいかないのが、この仕事だ。
 私は扉を開けて外に出た。サイレンの音が大きくなり、日差しの眩しさに目を細める。見上げた空は青一色で、雲一つ無かった。真っ青な空は、その中に落ちていきそうで怖い感じがする。やはり白い雲が浮かんでいた方がいいと思ったとき、空一面に光りが弾けた。これまで見た中で一番強烈な光だった。


■ 朗読(松本伸子)




■ 即興演奏(奥田治義の世界)

日本語の響きを楽しもう Vol.2 写真集

やってよかった企画だった。
シリーズ化します。

開演前


楠 知幸(朗読)+宇月 彩(ライアー)



三浦雅代(朗読)+俵 則和(シンセ)



松本伸子(朗読)



奥田治義の世界(フレットレスベース)



脇 治美(歌&シンセピアノ)


脇 治美(歌&シンセピアノ)+宇月 彩(ライアー)


宇月 彩(ライアー)


女神たち














日本語の響きを楽しもう



明日、SUN MOON HALLで予定している「日本語の響きを楽しもう Vol.2」のおおまかな流れです。

START : 19:00

まず、アナログレコードの「はっぴいえんど 1stアルバム」をかけます。
(36分)
「日本語のロック」と呼ばれるものの先駆的な作品群です。

次に、詩の朗読をします。
当日の朗読者エントリーが女性のみだったので、男声もあったほうがいいかなと思ってのことです。
朗読者は「楠 知幸」です。
朗読のバックで、「宇月 彩」がライアー(竪琴)で朗読にインスパイアされた即興演奏をします。

その次は、「三浦雅代」による絵本(2冊ほど)の朗読です。
朗読のバックで、「俵 則和」がシンセで朗読にインスパイアされた即興演奏をします。

そのあと、三者による斬新なコラボをやります。
「楠 知幸」がこの日のために書き下ろしたオリジナルテキストを、「松本伸子」が朗読し、朗読が終わるとソロベーシストの「奥田治義の世界」が朗読内容に基づいた即興演奏をします。

朗読シリースが終わったら、日本語の歌を楽しみましょう。
現時点でのエントリーは2名です。

先日、広島の「Music Bar Jugemu」でのライヴが盛況だった「あらまぁ由美」こと「脇 治美」さんが、益田入りしてユーミンの曲を歌ってくれます。


広島をベースに活躍されてるライアー(竪琴)奏者の「宇月 彩」さんもエントリーです。
竪琴の弾き歌いは聴いたことがないので、楽しみです。


さらなる、シンガーのご参加をお待ちしてます。
よろしくね♪

「日本語の響きを楽しもう Vol.2」
https://www.facebook.com/events/428492680828009/

癌と共存する男の戯言 287

昨日は三週間ぶりに戸畑まで外来受診に出かけてきた。
いつものごとく一日がかりのメニューをこなした。
ハイパーサーミア(温熱療法)
分子標的薬と抗癌剤の点滴
高気圧酸素治療
今回、ちょっとしたハプニングがあった。
高気圧酸素治療のときはカプセルに入って2気圧に加圧するので、加圧に15分、減圧に15分かかる。
ということは何かあったときに、ただちに影響はない、いやこれは某政治屋のセリフだった、ただちに娑婆に戻ることができないんだ。
で、今回、カプセル内で急に腹痛と下痢が始まった。
えらいこっちゃ!
点滴の副作用なんだが、こんなに早く発現したのは初めてである。
しばらく我慢していたけど、どうにも山本リンダなので、マイクを使ってスタッフに治療の中止を願い出た。
しかし15分待たねばならん。
羊を何匹数えなくちゃならないのか。
いや眠ってはマズイ。
なんとか15分ほど耐えて、娑婆に戻った。
以下、省略。
あとの副作用としては、前回と同じく血圧の上昇と、末端神経障害(手の指先が冷たいものに反応・手指が動かしにくくなる・唇に影響が出て喋りにくくなる)が出た。
さて、今回で治療はひとまず終了ということにした。
ゼロータは今後二週間服用する。
5月10日に採血して腫瘍マーカー検査をし、そのあと胸部と腹部のCT検査をすることになっている。
胸部のは、左肺に転移した腫瘍を昨年10月に放射線治療した結果の最終確認だと思う。
前回のCT検査では、腫瘍の中が空洞になっていることを確認できたので、その後消滅したのかどうか。
腹部のは、後腹膜リンパ節に転移して一度消え、また再発した腫瘍がどうなっているのかの確認だ。
両方消滅していれば、ひとまずは寛解ということになる。
先日の腫瘍マーカー検査では基準値内に収まっていたので、寛解は期待できる。
もしまだ残っているのなら、抗癌剤治療を継続するか、あるいはもうしないかの選択をせねばならない。
さて、どうなるか。

癌と共存する男の戯言 286


(生原稿は村上龍の限りなく透明に近いブルー)

ほんとに久々に作品を書いた。
3月25日にあるイベント用として。
1600字ほどの超短編である。
朗読すると10分くらいになると思う。
朗読をじっと聴いているはるちゃん(るにアクセント)が、朗読が終わるとおもむろにベースを弾き始める。
いや、すぐにではないかもしれない。
しばらくは沈黙の時間が流れるかもしれない。
もしかすると、それが作品かもしれない。
聴き手は石になってしまうだろう。

まーちゃんの朗読に救われるかもしれない。
まーちゃんが読むバックで、たわちゃんが即興プレイをするだろう。
二つの即興演奏はタイプが違うが、どちらも興味深い。

また、シンガーが日本語で歌ってくれる。
日本語の響きを楽しもう。
そんなイベントです。
来たれ、SUN MOON HALLへ。

https://www.facebook.com/events/428492680828009/

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