Im_only_sleeping


去る9月29日に直腸癌の根治手術を受けた。
その際に全身麻酔が行われた。
麻酔薬は点滴で体内に入れられる。
腕には点滴用の針が付いていたから、それまで投入されていた生理食塩水を麻酔薬に変えるだけでよかった。
酸素マスクが付けられ、ゆっくり深呼吸をしてくださいと言われた。

耳元で自分の名前を呼ぶ声が聞こえてきたかと思うと、ぼんやりと目覚めて、数人の顔が視界に入ってきた。
手術は無事終わりましたよ誰かが言っている。
ゆっくり深呼吸を始めてから数秒のちに目覚めたという感覚だった。
実際には7時間が経過していた。

その時のことを後で思い返すたびに、死ぬということは、再びの目覚めが無い眠りのようなものだと実感した。
もし安楽死を実行できるとしたら、目覚めることの無い眠りに入って行く覚悟ができるかどうかが課題だろう。
それを恐怖と感じるか平安と感じるかは、そのときにならなければ正直わからない。
まあ恐怖と感じるのなら、そもそも実行しないか。

父の臨終のことを思い出す。
毎日のように母と一緒に病室に顔を出していたが、ある日に意識が無くなった。
そして数日後に、おれの目の前で最期の息をし終えたのだった。
そのとき病室には母もいた。
意識は無かったが、父には家族に見守られてこの世を離れたという自覚があったように思う。
本当のところは、わからないにしても。

老衰や病気で旅立つにせよ、安楽死で旅立つにせよ、家族や友人たちに囲まれながらなら、安らかに逝けるような気がする。
それとも、生まれてきたときのように、独りで逝きたいと思うだろうか。

下の動画は作家のMichèle Causseさんが、安楽死幇助団体のサポートを得て、永眠に向かう様子を記録したものである。
スイスでは安楽死が合法なので、おそらくこれはスイスでの事例だろう。
安楽死については賛否両論があると思う。
おれは、そういう選択があってもいいと考える。
あなたの意見はどうだろうか?




安楽死法 ‐ 死を選ぶ権利 — 駒沢丈治(雑誌記者)

アメリカの29歳女性の安楽死 — 長尾和宏(長尾クリニック院長)

ブリタニーさんの報道から日本を想う — 長尾和宏(長尾クリニック院長)

安楽死 Wiki