写真 : 野村ゆき
詩 : Tomo Kusunoki


 
理想の眩しさに目がくらむ隙に
いつの間にか辺りに闇が立ち込める
美辞麗句に潜むトゲに気をつけろ
厚い雲が割れて現れた青空がそう叫ぶ

きみが暮らす町を列車で通りかかった
沿線に咲くコスモスが風にゆれる
きみの息づかいを感じた気がして
ぼくは幸せだった

そうとは気づかずに手を貸している
きみの愛する人たちが灰色の海に入っていくことに
どちらが正しいということでもないのだろう
答えというものがあるのなら それは事実そのものだ

長いこと側にいたのに きみはただの風景だった
なぜ今になって輝き始めたのか
それはたぶん それはもしかして それはきっと
厚い雲が割れて現れた空からの光のせいだ