写真 : 野村ゆき
詩 : Tomo Kusunoki


 
窓辺のテーブルに置かれた透明な酒の空き瓶に さりげなく数本の花が活けられている
窓ガラスを通して差し込む光がテーブルと花を薄いブルーに染めている
そんな遅めの午後 店内に流れている曲が変わった
あっ!
わたしの好きなジョニ・ミッチェルの「Blue」という曲だ
ピアノをバックに歌われる青い炎のような情熱
真っ赤に燃え上がる炎は外に向かい
青い炎は内面を這う
大きな喪失に 生きる力が尽きそうで
それでもなんとか踏みとどまっている
悲しみを癒やすものは悲しみしかない
ジョニの悲しみさえも慈しむ歌声に
一筋の光明を見た ある日の遅めの午後