写真 : 野村ゆき
詩 : Tomo Kusunoki


 
あるとき海面に浮上すると
真っ青な空を背景に一羽の鳥が飛んでいた
その鳥は鳴き声ともつかない異音を放っていた
おまけに翼からは白いものが後方に吐き出されている
かっこいいと思った
海中では おれの泳ぎもなかなかだ
速さも負けたことがない
けれども あの高い場所で自由に泳いでみたい
一度そう思い込むと 来る日も来る日も そのことばかり
いつの間にか数年が経った
ふと気づくと体の様子が変だ
皮膚がさらに硬くなり
胸ヒレが水平方向に大きく迫り出してきた
第二背ビレと尾ヒレも発達している
これは! ひょっとして!
そして 決行の日がやってきた
雲一つ無い晴天である
おれは意を決すると 棲み慣れた大海原を離れて飛翔する
ぐんぐんぐんぐんと大空に向かって