写真 : 野村ゆき
詩 : Tomo Kusunoki


 
その風景を見たとき時をワープした気がした
かっての夏の夕刻に
太陽は水平線間近にあり 光の道が岸に向けて伸びていた
海の上空はオレンジから水色へとグラデーション模様
雲は西方浄土を彷彿させる
夕陽をバックに海水浴客がシルエットで点在している
しかし気がしただけで この景色を見るのは初めてだった
記憶というものはあてになるのか
他者の記憶と何かの拍子にシンクロするってことはないのか
きみはぼくの目で過去のこの海を見ている
ぼくはきみの目で未来のこの海を見ている
二つの時は同時に存在している