写真 : 野村ゆき
詩 : Tomo Kusunoki


 
ある雨の朝 傘をさして庭に出てみた
針葉樹の葉先から滴が落ちていた
一滴落ちると葉先はまた水を湛えはじめる
表面張力で美しい滴のかたちになると
ふたたび地面に向けて落下していく
滴に目をこらすと
辺りの景色が映っているのが見える
近寄ると私もその中にいる
瑞々しい水の力で十歳くらい若返ればいいのに
なんてね ちょっと思ってみたり
幸せはいつも寄り添っていてくれる
私がそれに気づくのを待っている
悲しみに沈むときにも
絶望に震えるときにも
明日を見失なったときにも
そう どんなときにも