写真 : 野村ゆき
詩 : Tomo Kusunoki


 
人間の世界では たいていの物に名前が付いているらしい
おいらも例外じゃない
なんでもクモというんだとか
勝手に名付けるなよって話だが
それは彼らの自由だから まあよしとしよう
おいらがおいら以外の者になんと呼ばれようと
そのことによっておいらに変化があるわけじゃない
彼らの世界では 名前がない物は存在しないと同じなんだ
名付けて初めて 対象物はこの世に居場所を与えられる
ずいぶん傲慢なことじゃないか
たとえ明日から地上に人っ子一人いなくなっても
困る存在なんていない
その程度のものなんだよ
それを教えてやりたい気もするが
おいらはいろいろと忙しい
糸を張ったり獲物を捕獲したりさ
雨上がりには 糸に乗ってる水滴が美しい