一瞬は永遠

moment equal eternity

作者別: tomo (Page 2 of 5)

写真と詩と 065


Yuki Nomura

「ネコまた曰く」

ほとんどの人が自分は本物だと思ってるわね
自信のなさをアクセサリーにして
あいつは偽物だけど自分は本物だと思ってる
そうしないと自分を保てないのね
それでいいんじゃないの
けどさ 他人を悪く言うのはいただけない
心のうちで思うのは自由だけど
人は人 自分は自分
他人の好ましい面を愛で そうでない面はただ観察する
そんな態度はクール そういう人はフリーマン
おっと あたしゃ本物だよ 黒猫の縫いぐるみじゃないわよ

写真と詩と 064


Yuki Nomura

「お揃い」

お揃いは嬉しい
お揃いは晴れがましい
あなたとわたしは特別な関係だから
お揃いのグラスを買いたい
さすがにペアルックとは言わないから
さりげなく腕時計でもいいけど
観光地の土産物屋に夫婦茶碗というものがあった
長年連れ添った夫婦が買うのかな
うっかり片方が割れたら さあ大変
それを天啓に別れることもあるかもね

お揃いは嫌じゃないが
お揃いは照れくさい
きみとぼくは特別な関係だから
お揃いのグラスぐらいは良しとしよう
さすがにペアルックは危険すぎる
さりげなくペア財布はどうかな
たまには評判の店に一緒にいきたいとねだられる
そうできれば そうしたいさ
ひょこり誰かに出会ったら さあ大変
つないだ手をどうするのかが岐路になる

写真と詩と 063


Yuki Nomura

「来し方」

同い年の旧友が自分の山で収穫した栗を持ってきてくれた
珈琲を飲みながら昔話をする
竹橋のパレスサイドビル内にあった中華料理店でのアルバイト
その軽井沢支店と近所の池のこと
共通の女友達との思い出
銀座の山野楽器で買ったツェッペリンの新譜
廃墟の壁に薪を背負った老人の絵が掛かっているジャケット
彼が自分の会社を設立するまでの詳細は今回初めて聞いた
47年間のエピソードが4時間に収まるはずもないが
こうして改めて語る機会は貴重だ
おれはインタビュアーとして けっこうイケてる
ある程度長く生きてくると 人生は淘汰されて
一本の刈り残された植物になる
その綿毛が風に乗って散るとき
彼は来し方の思い出を胸に旅立つのだ

写真と詩と 062


Yuki Nomura

「苦痛」

苦痛が窓辺の席に座っている
止むことのない痛みは心身を消耗させる
我が痛みを知って他者の痛みを知れというが
それは あくまで想像にすぎない
自分にしか この痛みはわからないという孤独感
わかるよーと言われても わからんくせにと思う
わかろうとしてくれる気持ちは嬉しいけれど
ふっと痛みが和らぐと すっと眠りに落ちていけるだろう
それはまるで あのときのように
それはまるで とっておきの楽しみ
苦痛が窓辺の席から立ち上がる
おまえはこれから どこに行くのか

写真と詩と 061


Yuki Nomura

「堕ちた言葉」

本来内包する意味の輝きが薄れてしまった言葉たち
耳にすると 目にすると 虚しさを覚える言葉たち
おまえらに責任はないぜ
汚れたマントを着せたのは俺たちだから
そういうときには どうすればいいんだろう
なにか他の 的を得た気の利いた素敵な言い方を発明するか
言葉は記号であり音だけれども
人間の脳内で あらゆるものとして現れる
言葉で言い表せないこともあるにはあるが
言い表そうと努めることは続けたいんだ
堕天使は天上から追われ地上でさまよう
堕ちた言葉は いったん地中で雌伏し
野にある花が咲くように ふたたび雄飛する

写真と詩と 060


Yuki Nomura

「客観視」

自分の心や体の動きを常に観察することは可能か
今 嫌な気分になっているということはわかる
今 喜んでいるなと わざわざ思うこともないような
幸せな状態がデフォルトであればいいな

自分探しの旅に出た
霧が流れる石畳の街路をさまよい
港の屋台でフィッシュ・アンド・チップスを食べた
知り合った若いカップルに誘われてパーティーに行った
古い大きな屋敷の広い居間に入ると
こちらに背を向けて 男が椅子に座っている
見覚えがあるようなシルエット
心惹かれて近づくと 男が振り返る

自分の欲望や虚無感の大きさを常に観察することは可能か
今 最低な気分になっているということはわかる
今 最高だなと わざわざ思うこともないような
幸せな状態がデフォルトであればいいな

写真と詩と 059


Yuki Nomura

「恐怖と愛」

夜半に目覚めて 用を足しに起きて
また眠るのか そのまま起きてしまうのか
机に座って ふと考える
恐怖というものは身を守る本能なのは間違いないが
それを凌ぐものは やはり愛しかあるまいと思う
自己保身は恐怖から来る
依存もそうだ
無理に愛することはない
愛せるものだけ愛せばよい
そのとき恐怖はそばにいない
辺りが明るくなってきた
窓辺に下がるクロスが見える
縦の線と横の線
どちらが恐怖でどちらが愛だろうね

客席後方から撮られたZZ.Riders by Toshie Saeki

去る8月25日の夜
月に向かって叫ぶ者あり
月がそれに応えて落ちてきた

そのとき日月堂では”毎回燃え尽きバンド”が演奏していた。

動画も撮影された。

Can’t Help Fallin’ In Love – ZZ.Riders

Knockin’ On Heaven’s Door – ZZ.Riders

Mustang Sally – ZZ.Riders fea Kanako Fukuda

これが最後と思って、、、と毎回言いながら、80歳くらいまでやってるかもな。

写真と詩と 058


Yuki Nomura

「小さなプリンセス」

到着ゲートの前で待っていると
少し懐かしい顔がこちらに向けて駆けてくる
たったったった
僕に飛びつくと ぎゅっと抱きつく
やがてプリンセスは成長し 王子の胸に飛び込むだろう
マドリードに到着した僕は バルでナースと知り合う
彼女は自宅に招いてくれ フラメンコを踊る
宿の朝食で供されるカフェ・コン・レチェとビスケットに人生の明るい面を見る
病は突然の来訪者だ それも歓迎せざる
水と食料を少し買い込んで 抗生物質を飲み 三日三晩眠った
夢と現を行ったり来たり
夢に来訪者があった 嬉しかったので忘れることはない
プリンセスは美しく花開いていた
滑走路を見下ろす草地に僕を誘い 並んで歩きながら遠くを指差す
あそこに三本の木が見えるでしょ?
手前の大きな木の向こうの空に薄い虹がかかっているのよ
あなたには見えるかしら

今回の入院治療のこと

8月27日、正午前に病院入りし、採血・レントゲン・診察とこなして、入院した。
主治医との面談時に、あと何クールぐらい抗癌剤を投与するのかという話になり、今回を含めて2クールこなしたらCT検査をして評価を下すということになった。
退院後にも続けて服用するゼローダという薬が下痢を誘発するが、あまり酷く発現しない限り、少々のことは耐えて評価に望みたいと思っている。
翌日は一日治療だった。

6:00 採血 体重・血圧・体温・酸素濃度・脈拍の測定
8:45~9:15 CVポートを使って吐き気止め点滴(ブロイメンド・アロキシ)
9:15~9:45 アバスチン(分子標的治療薬)点滴
9:45~1145 オキサリプラチン(抗がん剤)点滴
11:45~12:15 生理食塩水点滴
12:45~13:45 電磁波温熱療法
夕食後から内服抗がん剤のゼローダを服用開始(2週間)

電磁波温熱療法(装置サーモトロンRF-8)のときに終盤で気分が悪くなって、50分の予定を42分で中断。
血圧が測定不能なほど低下した。
少しして計ったら、上が82くらいだった。
脱水が原因だろうと思う。
大量の汗をかくので、いつもは治療中に持参した水を少しは飲むんだが、今回は一度も飲まず。
ゼローダの影響で下痢が続いてて、治療中に体が固定されるので、途中で水を飲んだ刺激で漏れたら嫌だなと思ってね。
下痢によって体が脱水気味になっていたこともあるだろう。
車椅子で病室に帰って横になっていたら、血圧が安定してきた。
次回6クール目も同じ状況になることが予想されるし、最終クールなので、主治医と協議して電磁波温熱療法は外すことになった。
こんな状況だった。
やはりいろいろ起きるね。

(FBから転記)

再発から、途中で手足症候群の発現で延期はあったものの、3週間スパンの治療を5クールこなした。最近の腫瘍カーカー値は基準値内に収まっているので、やはり抗がん剤の効果があるということだろう。
あと1クールやったら、1ケ月ほど間を置いてCT検査を行い、画像診断で腫瘍が消えていたら、また寛解ということになり、あとは1ケ月スパンの経過観察になる。
なんとかそこまで行くつもり。

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