一瞬は永遠

moment equal eternity

月別: 2018年9月 (Page 1 of 2)

写真と詩と 074


Yuki Nomura

「薔薇」

切り花はキライ
花束の代わりに薔薇園がほしい
いろいろな色が咲き乱れているような
手入れはあなたがしてね
わたしは回廊を歩いて青空を背景に見惚れよう
赤い花と緑の葉が鮮やかに踊る
ほんとはそんなもの欲しくはない
わたしが欲しいのは あなたから流れ出る血
生首を捧げ持つサロメのように
したたる血を透明な薔薇の根本に注ぐだろう
血を吸った根は燃え上がり
花を赤く染めるだろう
その薔薇は切られ 束ねられ
土曜日の朝 あなたの元に届く
真っ赤な薔薇は愛のしるし

手足症候群 現状

飲む抗がん剤「ゼローダ」の服用を止めて18日が経過した。
手足の腫れと痛みは軽減し、副作用の峠は越したようだ。
そしていつものように皮が剥け始めた。
ダメージを受けた皮膚の内部が再生を開始して、死んだ表皮が剥がれ落ちるわけだ。
写真を見るとわかるように、指先から新しい皮膚が現れている。
まだ薄いので、あまり無理をして使ってはいけない(と自分に言い聞かせる)。
抗がん剤は毒である。
そんなことは百も承知だ。
しかし、毒でないと癌細胞という手強い奴は抑えられないんだ。
あなたが体の中に増殖する癌細胞を持っていたら、どうする?
放置すれば無限に増殖するんだぜ。
そういう種類の腫瘍なんだ。
癌もどきなんかじゃない。
民間療法で治すのかい?
それで治るケースもあるだろう。
ただ、おれは一番リスクの少ない標準治療を選択した。
標準治療というのは改名した方がいいな。
きちんとしたエビデンスに基づく、現時点での最善最高の治療方法だからさ。
しかも健康保険が使える。
財力のある人は保険適用外の治療を受けられるかもしれないが、おれにはその余裕がない。
手術・放射線・化学療法を駆使する標準治療で、おれはまだ生きている。
発症してから4年以上も生きている。
戦闘中だから、退屈はしていない。

写真と詩と 073


Yuki Nomura

「筋肉」

筋肉ってのは自分の意志で育てることができる
盛り上がった筋肉は まさに意志が現実に投影されている証だ
夢中になって体を動かしていると 結果的に美しい彫像になる
自然が生み出す血の通った彫像だ
彼の場合は後者だろう
二十年という歳月は飛ぶ矢のごとく過ぎゆくが
稽古の蓄積から生じる信じるに足るもの
それは筋肉
それが表すものは精神の崇高さだ
それを目にするとき
人は驚嘆すると同時に 生きる力が身中にみなぎるのだ

写真と詩と 072


Yuki Nomura

「雨」

雨には二面性がある
ときには恵みの雨と呼ばれ
ときには凶暴な怪物にもなる
ジョン・レノンはレインを作曲し
ロニー・レインは多発性硬化症を患った
顔に降りかかる雨が心地よいか不快かによって きみの幸福度を計れるから やってみな
雨は循環の象徴でもある
地上に舞い降りた雨は川となり海となる
そしてふたたび上昇し大空を彩る
雨よ おまえは自由なやつ
おまえが降るのは自然なこと
人間の英知で おまえの凶暴さは回避できるさ
相合い傘のカップルが通り過ぎる
そのとき雨は恋のキューピットだね

写真と詩と 071


Yuki Nomura

「花の首飾り」

花を摘んで首飾りを作るとき
誰かのために作るのと
自分のために作るのと
どちらが幸せな心持ちになるのかな
色合いは違えど幸せに変わりはないのかな
身中に宿る小さないのちのために作るなら
他者と自分の境界線はなくなるのかな
むかしむかしのバンドの歌手が
高音の美声で歌っていた
ああ愛のしるしってね
愛のしるしは沢山あれど
わたしは花を摘み 首飾りを作る

写真と詩と 070


Yuki Nomura

「我ら宇宙の子」

夜空を見上げると そう思わざるを得ない
どれほどの生命が存在しているのか
ロマンティックな気分になると同時に
哀しい思いも脳裏をよぎる
殺し合いは止まらない
海岸に打ち寄せる波のように
人という類のDNAに刻まれているもの
仏の顔と般若の顔
般若が勝れば共存できない
我ら宇宙の子
愛の本質を知りたいんだ

写真と詩と 069


Yuki Nomura

「滑走路」

二通りに使われる
飛び立つためと舞い降りるために
飛び立ちっぱなしというわけにはいかない
必ず羽を休める時が来る
反対に舞い降りっぱなしは可能だ
我々は地上に棲む者だから
でも それでいいのか?
受け入れることと受け身であることは違う
待てることと待つことは違う
幸運は待っていても来ないし待つ必要もない
今在ることに勝る幸運はないから
小型の旅客機が離陸態勢に入った
やがて再び着陸するとしても
それまでの道中を気ままに楽しもう

写真と詩と 068


Yuki Nomura

「居場所」

自分の居場所がないという人がいる
地球という空間の一部を占拠しているわけだが そういうことじゃないのはわかっている
人間関係という密林の中に居場所がないと感じているんだね
一番確かなのは自分自身が居場所だと認識できること
生きている限り他人に侵入されることもないし
そして居場所を少しずつ増やしていって地球サイズまで
やがては全宇宙サイズにまで拡大する
そうなると どこにでも存在できる
例えば この空瓶の中だっていいわけさ
そこが居心地の良い場所だと思えるなら
なんならしっかり栓をしてもらい
青い海原に浮かべてもらうさ
君は海流に乗って遠い異国まで運ばれるだろう
それって最高の居場所かもしれないな

We miss you all.

それは嬉しい感想にて候。
同じ言葉をお返しいたし益田。
来年また春風と共に降臨なさる模様。

ライブ後に「歯痛ポーズ」で仲良く5ショット。
妹は真ん中でご満悦。


Yumiko Orishige / Syuichi Ponta Murakami / Kumi Kusunoki / Yucco Miller / Junzo Maeda

写真と詩と 067


Yuki Nomura

「電送人間」

電送とは電波や電流を利用して写真・原稿などを離れた所に送ること
もし物質を電送できたら
もし動物を電送できたら
もし人間を電送できたら
物質を電波や電流に変換する装置ができた
送受信する装置もできた
電波や電流を物質に変換する装置もだ
電波や電流は光速と同じく1秒間に30万km進む
地球上なら瞬時に届く
交通手段として使えば物凄いことに
しかし旅の楽しみは無くなるね
過程こそ黄金だから
人生も同じ 道程こそ黄金
ある日 小型の送受信・変換装置が届いた
先日ネットで注文したものだ
小型だから一度に一人分の電送が限度だが それで十分
SNSで仲良くなったアメリカの友人が遊びに来たいというからさ
彼女と会うのは今回が初めてだから
ちょっとドキドキ かなりワクワク
彼女の送受信・変換装置と僕のをチャンネル同期させる
さあ電送を開始しよう
たちまち現れる人影がある

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