Yuki Nomura

「そのとき」

穏やかな海面を二艘の船が往く
一艘は漁船で もう一艘は釣り船だ
ところどころが緑がかった美しい青が水平線まで広がっている
上空には雲がたなびき 爽やかな風がそよそよと吹く
平和な光景とは まさにこれじゃないかと私は思う
ようやく物事がうまく運び始めた
なぜなのか よくわからない
明け方の空に輝く月を見たからなのか
あの人の愚痴を聞いてあげたからなのか
ともかく人生が前に歩き始めた
海の向こうでは二つの国が一つになるとかならないとか
ジョーカーはクイーンを誘惑する
キングは決断を下さねばならない
それが彼の役目だから
休日の午後 海に来てよかった
明日からまた頑張ろう
そのとき
水平線の向こうに閃光が走り 海と空がオレンジ色に染まった