Yuki Nomura

「恋する指輪」

指輪は初めてはめてくれた持ち主を恋しがるという
持ち主がもうこの世にいないとしても
通り魔に襲われた
指輪は消えていた
時効が成立したが 夫は探し続けた
怒りや恨みや悲しみを抱えて生きるのはキツい
後を追いたかったが その前にやることがあった
海辺の小さな町にあるセカンドハンドショップ
指輪が一つ 静かに待っている