2008
1
26
耳元の郷愁
寝たきりの父に唱歌と童謡のCDを用意した。枕元に置いたCDラジカセで、昼間の気が向いた時や夜の眠りに向かう折りに聴いている。幼い頃に口ずさんだメロディを人生の晩秋に味わうのはどんな気持ちだろうか。おれだったら童謡よりもビートルズの曲の方がしっくりくると思う。かつてAMラジオにかじりついて聴いた歌だ。
寝たきりの父に唱歌と童謡のCDを用意した。枕元に置いたCDラジカセで、昼間の気が向いた時や夜の眠りに向かう折りに聴いている。幼い頃に口ずさんだメロディを人生の晩秋に味わうのはどんな気持ちだろうか。おれだったら童謡よりもビートルズの曲の方がしっくりくると思う。かつてAMラジオにかじりついて聴いた歌だ。
生き物を生存させているものが肉体のみでないことは明らかだろう。その何かを命と呼ぶのか魂と名付けるのかは人それぞれだとして、一つの魂は肉体に入るときに二つに分かれて男と女に宿るという考え方がある。もしそうなら、その片割れに会ってみたいと思うのはロマンチックに過ぎるかな。つまりは、自分自身に出会いたい。
幼い頃生き別れた男女の双子が知らずに愛し合って結婚したものの、事実が判明して法律的には結婚が無効になったという話がある。二人の愛が破局したのかどうかわからないが、愛し合っているなら結婚云々にこだわらずに共に生きればいいと、おれは思う。血は近くても魂は独立しているし、魂も近ければ最強のカップルだろう。