2008 1 26

耳元の郷愁

寝たきりの父に唱歌と童謡のCDを用意した。枕元に置いたCDラジカセで、昼間の気が向いた時や夜の眠りに向かう折りに聴いている。幼い頃に口ずさんだメロディを人生の晩秋に味わうのはどんな気持ちだろうか。おれだったら童謡よりもビートルズの曲の方がしっくりくると思う。かつてAMラジオにかじりついて聴いた歌だ。


2008 1 17

魂の伴侶

生き物を生存させているものが肉体のみでないことは明らかだろう。その何かを命と呼ぶのか魂と名付けるのかは人それぞれだとして、一つの魂は肉体に入るときに二つに分かれて男と女に宿るという考え方がある。もしそうなら、その片割れに会ってみたいと思うのはロマンチックに過ぎるかな。つまりは、自分自身に出会いたい。


2008 1 14

双子同士の結婚

幼い頃生き別れた男女の双子が知らずに愛し合って結婚したものの、事実が判明して法律的には結婚が無効になったという話がある。二人の愛が破局したのかどうかわからないが、愛し合っているなら結婚云々にこだわらずに共に生きればいいと、おれは思う。血は近くても魂は独立しているし、魂も近ければ最強のカップルだろう。


2008 1 11

ショートステイ

近所にある市立介護老人保健施設に父を迎えに行った。月に一度だけショートステイでお世話になっている。4、5日の滞在だが、父にとって気分転換になると同時に介護する者の息抜きにもなる。父は自宅にいた方がくつろげるに違いないが、妻に一息つかせてやりたいという思いもあるのだろう。入浴できる楽しみもあろうけど。


2008 1 2

二重映し

「それ以上老けるなよ」と言い残して夜行バスに乗り込んだ次男は、窓のカーテンを少し開けた。面白い顔をして兄と父を笑わせる彼に、幼い頃の表情がダブった。夏休みや冬休みを終えて母の元に帰る際に涙ぐんで言った言葉をずっと覚えている。高校2年の彼は身長177、体重70で、両方とも追い抜かれてしまった。くそっ。


2008 1 1

年の始めのためしとて

横田の某寺に鐘撞きに出かけた。記帳の最中に年が変わった。牡丹雪の舞う中を鐘楼に上がり、合掌して鐘に棒を打ち付けると、グワーン、大きいが不快ではない音が響き渡る。一年前にこの音を聴いて以来いろんなことがあった。楽あり苦あり、苦あり楽あり。楽を楽しむ能力を育み、苦を楽の糧にする。今年の抱負は、これだな。