恩師と出会う
銀行にバカ高い自動車税を払いに行ったら声をかけられた。高校時代の古典の先生だった。古典は嫌いだったが、この人は好きだった。ウイットに富んだ人物で、図書館時代に利用者として来館されていた。「まだ若いのぉ」と80歳の青年から言われ、そうかまだまだ若いんだ、と妙に納得してしまう。「先生、2ショット撮りましょ」

銀行にバカ高い自動車税を払いに行ったら声をかけられた。高校時代の古典の先生だった。古典は嫌いだったが、この人は好きだった。ウイットに富んだ人物で、図書館時代に利用者として来館されていた。「まだ若いのぉ」と80歳の青年から言われ、そうかまだまだ若いんだ、と妙に納得してしまう。「先生、2ショット撮りましょ」

第77回アカデミー作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞を受賞したこの映画を、遅れ馳せながら観た。75歳になるイーストウッドの目の細め方は、荒野の用心棒やダーティ・ハリーの頃と変わってないなあと、精一杯生きて悔いはないから酸素の供給管を外してくれと言える生き方をしなきゃなと、そんなことを思いながら。

5件の面接を受けて全て不採用だった。人柄の問題でなければ高年齢故だろう。苦労話がしたいのではなく、逆境のときにこそ、自分が何を思いどう行動するのか、心と体はどう反応するのかが身に染みるよな? と問い掛けてみたかった。誰もが各々の困難を抱えて生きている。弱い自分を抱きしめつつ強く生きていこう、我が友よ。
あなたには、これまでの人生で忘れ得ぬ後ろ姿というものがあるだろうか? 京都駅の改札口に立ち、二番ホームへ続く階段を上っていく人の背中を複雑な思いでみていたのを思い出す。二十年も前のことだ。いきつけのカフェでかかっていたCD(Diana Krall)の裏ジャケットに惹かれ、じっと眺める心にも外の雨が降る。

全国の自殺者数がH10から8年連続で3万人を越えている。ピークはH15の34427人だ。単純割だと一つの県で年間七百人以上になる。男女別では男が、年齢別では高齢になるにつれてその割合も高い。つまり爺さんが一番死んでいる。今後、特に団塊の世代は意識改革をする必要があると思う。死ぬまでは生きるとしても。
若い頃は腕時計をしていた。右利きだが右手にするのが好きだった。クオーツではなく、腕の動きでネジを巻く自動巻だった。時代が知れるね。横浜港からナホトカに向かうとき、当時の恋人のと交換した。いつも一緒に、というわけだ。金に困っても売れないぞと思った。無事持ち帰ったが、時計の刻みが互いの何かを変えていた。
他人の悲しみや喜びは、自分の体験を経て身に着けたメジャーによってしか実感できない。もしこれが真実なら、自分を知ることが他者へと向かう最短距離だろう。あるいは自己体験なしに他人の感情がわかるとしたら、そのとき両者は融合しているのではなかろうか。他者に興味のない人は、最も自分から遠い人のような気がする。